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小説置き場としてこちらのブログを新設いたしました。
アメブロの「安寿の妄想工房」
連載していた小説をぼちぼちと移動させてアーカイブしていこうと思います。
また今後は小説はこちらにUPしていくつもりです。

連載する小説はBLで、大人の腐女子・腐男子の読者様に向けた内容となりますので、
18歳未満の読者様による閲覧はご遠慮下さいますようお願いいたします。

1 眼光(まなざし) 



陵辱涙1

第一章 眼光(まなざし)




 連れていかれるのが「かじろ」という男のところであることは、義也も理解していた。男たちが交わす会話の中で、その名が何度も繰り返されていたからだ。
 この半月ばかりのあいだ義也の所有者だった男たち。彼らは繰り返し義也を殴り、蹴り、代わる代わる犯して、泣きわめきながら達するところをビデオに撮った。
「気に入らないっすね。竿師風情が気取りやがって。何であんなヤツにウチの兄貴が腰を低くしてんです?」
「おい、滅多なことを言うなよ。痛い目を見るぞ」
 まるで汚れた荷物のように扱われ、転がされた車の後部座席。痛みに震えながら、義也は彼らの会話に耳をそばだてていた。どうやら「かじろ」は、一目置かれる存在のようだった。だが、だからといって好意を持たれているわけではないのだろう。
 それを意外だとは思わなかった。
 実際の値段がいくらだったのかは知らないが、「かじろ」は性的な慰みものにするために男たちから義也を買ったのだ。碌でもない男であることは間違いない。
 神代と書いて「かじろ」と読む。そう知ったのは車から引きずり降ろされ、この家の門をくぐったときだ。
 時代錯誤と思えるほど重厚な門扉。それを見上げて、義也は吸血鬼の館に連れてこられた心地だった。
 厳しい筆で書かれた古い表札が、その光景に馴染みきれずに威圧的な存在感を放っている。だがそのふたつの文字は、義也の中でなかなか「かじろ」という音には結びつかなかった。
 男たちは玄関先で早々に追い立てられ、義也だけが家に上げられる。
 出迎えたのが神代本人なのか、よく分からなかった。
 男は自分が誰だと名乗りもしない。
 こんなご大層な家に住んでいる金持ちなら、使用人のひとりやふたり、いても不思議ではない気がする。
 それにその男は、性の奉仕をさせるために若い男を買う脂ぎった変態オヤジとは程遠い印象だった。
 端正な顔立ちだったし、若すぎるようにも思える。まだ四十にも届いていないだろう。ヤクザに一目置かれる男とはとうてい見えない。
 だが、広い家はひっそりと静まり返っている。この男のほかに誰かいるという気配は感じられなかった。
「おいで、こっちだ」
 男はそう言って、義也の肩を抱いた。
 粘り付く愛撫のようなその手の動き、言葉とともにもらされる、しめりけを帯びた吐息。そうしたものには、確かに性的な行為を予感させるものがある。
 促されるまま長い廊下を歩き、義也は奥の部屋へと案内された。
 そこに一歩足を踏み入れて、その部屋の異様さに息をのむ。一方の壁は床から天井まで鏡張り。その前に五脚の椅子が置かれていた。
 それぞれに似ても似つかぬ形状の椅子。
 だがそれらが座る者を拘束し、性的な辱めを与えることを意図して造られたものであることは明白だった。ただそこに置かれているだけで、押し迫るような淫猥さが滲んでいる。
 それだけが、その五脚の椅子の共通項だった。
 椅子の脇にはそれぞれに小さなテーブルが置かれていて、いくつもの性具が整然と並べられている。そしてその几帳面さとは対照的なほど無秩序に、数えきれないほどの写真がばらまかれていた。
 粒子の荒いモノクロ写真の硬い画質。
 そのすべてがピアスを施した人体の一部を撮影したものだった。被写体はどれも若い男で、その顔も、体も、どきりとするほどに美しい。
 耳朶。瞼。唇。舌。乳首。臍。性器にピアスが穿たれているものもあった。どの部位も赤裸々に、そして無慈悲にフレームに収められている。
 義也には官能的だとは思えなかった。
 ただただ痛々しいばかりだ。
 まだパッケージに収められたまま性具とともに並べられている奇妙な器具。写真を見なければ、それがピアスホールを穿つための道具であることなど気付くことはなかっただろう。
「好きな椅子を選んで座ってごらん?」
 背後に立った男は少し身を屈め、義也の耳元に口を寄せてそう囁いた。
「……」
 だが義也は、並べられた椅子を直視することさえできなかった。
 椅子も鏡も、性具やピアスも見たくない。
 義也は傍らに立つ男からも目をそむけて、部屋のすみに寝そべっている黒い猫を見つめていた。猫は義也を威嚇している。まるで自らのテリトリーを新参者に荒らされることが不満だと訴えているようだった。
 義也を見下ろして、男が小さく息を吐く。
 その吐息が肌に触れたとき、義也の体がびくん……っと、大きく震えた。
 命令に従わなければ殴られるか、蹴られるか、そのどちらかが待っている。それがこの半月ほどの義也の日常だった。
「どれも気に入らないのかい?」
 男の声は穏やかだった。苛立ちなど、まるで感じ取ることはできない。
 だがそれでも、義也は男を見上げることはできなかった。見なくても、まるで肌を刺すような容赦ないまなざしを注がれているのが分かる。
「……汚れるよ」
 ぼそりとそうつぶやく。
 義也を車に乗せる直前まで、男たちのお愉しみは終わらなかった。気を失うまで犯されて、シャワーさえ使っていない。服も、体も、精液にまみれたままだ。
「汚していいんだよ」
「高そうな椅子なのに……」
「安い椅子なら汚したいのかい? それとも、汚れたら棄てればいい……と?」
「……え?」
 何を言われているのかよく分からなかった。ふと顔を上げた拍子に男と目が合う。
 今度は、その男から目が離せなくなってしまう。
 そして義也は、間違いなくこの男が神代なのだろうと覚っていた。あのピアスの写真はすべてこの男が撮ったのだろう、とも思った。
 神代は表面上、微笑と呼ぶ以外にない表情を形作っている。だが義也を見つめるまなざしには、他者の痛みを意に介さぬ酷薄さが滲んでいた。
「嬉しいよ。きみは物の価値の分からない馬鹿ではないようだからね。確かにこの椅子はどれも高価なものばかりだ。値段を度外視して最も適した素材を使い、設計から仕上げまで、すべての工程で手を抜かずに作られたものだよ。たったひとつの目的のためにね」
「……」
 神代は義也が何かを言うのを待っているようでもあった。だが、義也にはあいずちさえ思いつかない。その話がどこにたどりつくのかも分からなかった。ただ不安が押し寄せてくるのを感じている。
「汚していいんだよ。いや、それを見たいんだ。きみが高価な布地に染みを作ることをおそれながらその椅子に汚れた体を横たえて、堪え切れずにのぼりつめていくところが。そして新しい染みを作るところが……」
 そう言って、神代は一番近くにあった椅子のほうへ義也の体を押しやった。
「この椅子の張り地は、アンティークの毛織物だ。イギリスから取り寄せて張らせたんだよ。伝統的な石榴の文様でね。きれいだろう? ただの布切れに何でこんな金を……と思うくらいにふっかけられたし、同じものはもう二度と手に入らないだろう。でも、惜しくはない」
「あんた……頭、おかしいんじゃねえの」
 思わずそう口にせずにはいられなかった。
 うっとりと布地のうんちくを語る神代の表情には、狂気としか言えない歪みが潜んでいる。
 借金のカタに連れてきた若い男で持て余した性欲を解消し、ゲイものの裏ビデオを撮って小金を稼ぐ。そういうヤクザの行動のほうが、よほど理解しやすかった。
「その代償に手に入れるものは、僕にとってもっと大きな価値があるんだよ。あの男たちからきみを手に入れたのはそのためだ。僕の手できみを替えるためにね」
 そう言って、神代はその口元を笑った形に歪ませた。
「きみはここで生まれ変わるんだ。飼われることに何の痛みも感じない、ただ媚びるだけの愛玩動物に……」



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UserTag: BL小説  18禁  須藤安寿  *   
Thema:BL小説
Janre:小説・文学

2 光もあらぬ




陵辱涙2 表紙

第二章 光もあらぬ




 神代の表情に圧倒されて、義也は言葉を発する事もできなかった。石榴文様の布が張られた歪な椅子をじっと見下ろしていただけだ。
 そこに座れと促されているわけではないのだろう。それが不気味だった。義也をその椅子の前に押しやったのは、ただその布のうんちくを語りたかったからだ。
 神代にとっては義也に椅子を選ばせることも重要な性の行為のプロセスなのだろう。
 だが……。
(選べるわけ……ねえじゃん)
 義也にとってはそれが本音だった。
 どれもこれも、そこに座らされる者の人間としての尊厳を根底から無視した椅子だ。恥ずかしげもなく足を開き、性器を無防備にせり出す姿勢を強要するための形。こんなものをこれ見よがしに並べて、好きに選べなどと言う神経が、すでにまともではない。
「選べないのかい?」
 その義也を見て、神代はかすかに笑ったようにも感じられた。
 満足している。
 そうとも思える口調だった。
「……選べないなら、そう言ってもいいんだよ。“お望みの椅子に座ります”と言えれば及第点かな。どうせきみはこの先も、自分の上に跨る男を選べるわけじゃないからね」
 神代の口調は穏やかなままだった。
 義也がちょっとでも反抗的な態度を見せると声の限りに恫喝し、情け容赦ない暴行を加えたあの男たちとは全く違う印象だ。
 そのことが意外でもあった。
 そして同時に、神代が本当に男との行為や嗜虐的な性の形を好む性癖の持ち主なのだと実感してもいる。
「……まだるっこしいね」
 思わずそう言葉が漏れた。
(こいつ、怒らせないほうがいい)
 そう思ってもいたが、どこへ辿りつくかも分からぬまま延々と続く話に付き合うのは苦痛だった。
「……あのヤー公たち、あんたのことを調教師だって言ってたよ。俺はあんたにあれこれエロいこと仕込まれて、どっかに売り飛ばされるんだって……。さっさとヤればいいじゃないか。あいつらみたいに殴ったり蹴ったりして――をぶち込めばいい」
 精一杯虚勢を張っていたが、声は震えている。
(ホントにキレたら、きっと、こういうヤツのほうが怖いんだろうな)
 そんな思いが沸き上がってきて、胃の底が震えた。
 だが心のどこかでは、神代がぶち切れて襲いかかってくればいいとも思っている。
(そうすれば、きっと何かが終わってくれるから)
 そういう予感があった。
 何をされるにせよ、義也はそれを受け入れればいいだけだ。どんな暴行だって永遠に続くことはない。いずれは飽きるか、諦める。それをただ待てばいい。受け入れきれないなら……死ぬだけだ。
 ――もうそんなことはどうでも良かった。
「そういうやり方が好きかい?」
 だが、神代はまだのらりくらりと言葉遊びを続けるつもりらしい。義也が苛立っているのさえ、愉しみのうちだと言い出しかねない雰囲気だ。
「好きも嫌いもねえだろ。厭だっつったら、やめてくれんのかよ?」
 体いっぱいに溢れかえっている嫌悪感のままに、そう吐き捨てる。そのときもまだ、義也は石榴の文様を見下ろしたままだった。

 そもそも半月前まで、義也には性の経験といえそうなものは自慰しかなかった。
 それでも、自分が女よりも男に欲情すること……男にヤられることを想像して興奮する性癖であることには、ずいぶん前から気づいていた。
 見知らぬ男に声をかけられたり、尻を撫でられるようになったのは、そういう性癖に気づくよりもさらに以前のことだ。
(俺……何か、そういう男を引き寄せる匂いみたいなものを発しているのかもしれない。別にゲイだって看板を下げて歩いているわけでもないのに、男に目をつけられるのは、そのせいだ)
 否応なく男たちの性の関心をかきたててしまう。その原因は、自分にあるのだろうと苦く覚ってもいた。だが、だからと言って何ができたわけでもなく、助けを求めなければいけない何かがあったわけでもない。
 ある日突然、ヤクザの事務所に連れて行かれ、服を毟り取られて転がされるまでは、義也はその辺にいくらでもいる、ただの平凡な小僧だったのだ。“男とヤる”というのが、具体的にどんなことなのかもはっきりとは分かってはいなかった。
 そして半月のあいだ、あの男たちに小突き回されたことで何かが分かったというわけでもない。性の行為も暴力も大した違いはないと思い知っただけだ。
『イイのか? ええっ、イイんだろうが?』
 男たちは突き上げるたびにそう繰り返した。
 だが、快感などあるわけもなかった。
 それでも男たちは、いずれ義也がその暴力的な性の行為に溺れて、淫らにそれを求めるようになると本気で期待していたらしい。
(馬鹿馬鹿しい……)
 そう笑いたい気分だった。性の武勇伝で自らの男らしさを誇示しようとする下らない連中。自慢する通りに女も男も見境なく泣かせてきたのだろう。それなのに、なぜそんな夢物語を信じられるのか。
 理解できなかった。
 義也は体を疼かせるどころか、昼夜を問わず繰り返される行為に困憊しきって、勃つことさえなかったのに。
 そして、いつまでも痛がるばかりで媚態を見せることのない義也に、男たちは苛立ちを募らせた。
『神代のところにやって、ひと月も仕込ませりゃ、このクソガキだって少しは上手に咥えられるようになるさ。あんあん喘いで、おっきいのが欲しいって可愛くおねだりするようにな』
 義也の体を一番気に入っていたのは、他の連中に兄貴とか代行とか呼ばれていた男だ。神代に義也を売ることを決めたのもその男だった。
『――そのあとで買い戻してやってもいいんだぜ? 神代の“猫”はおまえの親がした借金なんか問題にならないくらいの値段がつくが……おまえの面と体なら、変態の爺いどもをいくらでもたらしこめるだろうからな』
 あのときでさえ、男は義也が泣き出すのを待っているようだった。もしかしたら、義也が自分に好意を持っていると誤解していたのかもしれない。
『どこへもやらないで。いい子にするから、俺をここに置いて?』
 義也がそんな言葉を口にして足元にすがりついてくると……疑いもなく信じているように見えた。
(馬鹿じゃねえの。俺はいつだって、今も、おまえの顔に唾を吐きかけてやりたくてたまらないのに……)

「きみのビデオも見たよ」
 神代はそう言って、座れと命じるように義也の肩においた手に力を込めた。
 どうやら義也に椅子を選ばせるのはやめて、目の前にある石榴文様の椅子を使うことに決めたらしい。
 すでに椅子の背もたれは、ゆったりと背を預けて座れるような角度にリクライニングされていた。
 足を載せる台が鏡に向かってV字に開き、そこから黒革のベルトがだらりと下がっている。そのあまりにも露骨な形状が張り地の優美な文様とそぐわない印象だ。
 全体的にはマッサージチェアを思わせる形状だったが、座面はえぐり取られたように中心部が抜け落ち、まるっきり便座そのものだ。
 肘掛けもない。その代わりにヘッドレストのさらに上に、革手錠が取り付けられていた。おまえの腕の置き場はここだ。そう主張しているように見える。
 それを見て、義也は足が竦むのを感じた。
 それでもさらに強く促されて、仕方なくのろのろと椅子の縁に腰をおろす。
「……っ」
 舌打ちせずにいはいられなかった。おとなしく鏡の方を向いてやるつもりなど、毛頭ない。この椅子の設計者や神代が望んでいるのはもっと別の姿勢だと分かっている。だが、そんなことはくそくらえだ。
「あの連中に抱かれているときのきみは、とても可愛かったね。きみも……感じていたのかい?」
 神代は義也の前に立ち、撫でるような静かな動きで義也のシャツのボタンをはずしはじめた。
「あんなんで、感じるわけねえだろ」
 腹立ち紛れにそう言い放つ。
「そう……?」
 神代はそう言って完全に義也のシャツを脱がせ、床に落とした。まだ唾液と精液で汚されたままの肌。そこに残された暴行の痕跡にも眉ひとつ動かさない。
「ん……ぁっ」
 不意に胸元に残された歯型に触れられて、義也は眉を寄せた。触られると今も酷く痛む。あの男たちは繰り返しそこをつねったり歯を立てたりして愉しんでいたのだ。
 そして義也が痛がって身を捩るたびに、
『ここが好きか?』
 ……と、繰り返した。
 たぶん、神代も同じなのだろう。あの若いヤクザが神代を気取り屋だと言っていたのを思い出す。あいつらの言葉に頷きたい気持ちになったのは初めてだ。
(こいつだって、ヤー公どもと何も変わらない。それなのに、上品ぶりやがって……)
 義也もまた、そう言い放ちたい心地だった。
 だが、神代の手はあの男たちのように乱暴ではなかった。義也の疵を、ただそっと撫でただけだ。
「こんなにされたんじゃ、痛いばかりだっただろうね。可哀想に……」
 そう言って、義也の体を抱きしめる。
 柔軟剤のいい匂いのする、柔らかな乾いた布地。その感触を久しぶりに味わったという気がした。
「あ……」
 どきり……とした。こんな心地良い清潔さとは、もう永遠に無縁だろうと思っていたから。
「こわがらなくていいよ、力づくできみを従わせるつもりはない。きみを泣かせたりはしないから」
 神代はそう言って、まるで猫を可愛がるように義也の髪を撫でた。囁く声が、耳を蕩かすように甘い。
「厭だ、やめてくれと泣きながらあの連中の相手をしていたんだね? 辛かっただろう。大丈夫だよ。そういうやり方を好む男も少なくないが、私は違う。……私は、きみに一番いやらしくて気持ちよくなれることをおねだりされて、その望みを叶えてあげたいんだ。“男たちに犯されるぼくを見て”って……そんなふうにせがまれたいんだよ」
 右から左へすり抜けていくように、その甘い囁きが耳朶をくすぐり続けている。
 言葉の意味をはっきりとらえることができぬまま、義也はただその心地良さに酔っていた。




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1 序章

罪の書 表紙

 この書は、すべて暗号によって綴るつもりだ。
 内容を読み解くのは容易ではあるまい。この暗号は私が(つまりザンクト・ホルストのヤン、または小さきジャンと呼ばれた暗号筆記係修道僧が)独自に考え、誰にも読み解く術を明かすことなく墓まで持って行くつもりのものだからだ。
 罪に彩られた私の半生を綴るには、それがもっともふさわしいだろうと思える。

 それでもこの書が失われることなく保管される限り(書物は時として、いとも簡単に失われる。焼かれることで、埋められることで、そして単に、忘却によっても)、いずれは誰かが暗号を読み解く術を見つけ出す可能性もまた失われることはないということになる。永遠に解かれね暗号など存在ないし、永遠に読み解かれることを期待せずに綴られる暗号もまた存在しないだろうから。

 私はこの書に暗号を綴る行為をもってすべての罪を告白するが、いずれこの暗号を読み解く者を聴罪僧に仕立て上げるつもりは毛頭ない。
 この暗号と同じように、私の犯した罪もまた、私だけのものだ。
 滑らかな手触り、舌や喉を蕩かせる味わい、艶を放つ色彩、芳しい香り、耳朶をくすぐる囁き。サローという、妖しくも美しい異端の修道僧が私に与えてくれた甘美な疼きと痛みとのすべて……。
 やがてこの生命が尽きるときには、そのすべてを抱いて地獄の業火に灼かれよう。神の救いも、赦しも、もはや私には不要のものだ。

 この書を残すのはただ、祈りのようなもの。私の遺すことのできる儚い足跡のようなものに過ぎない。

 まだいかなる文書もこの暗号で綴ったことはないし、この書を書き上げたのちに再び使うこともないだろう。だから暗号に名を与えることになどおそらく意味はあるまい。


 ――だが、私はこの暗号を〈青の記憶〉と呼ぼう。




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03/24のツイートまとめ

anjusuto

今日は普段ではありえないほどにマニュアルをあれこれ読んだorz。マニュアル的なものを読むのが、ほんとーーーーに苦手なんだと切なく実感。とりあえず、今日の作業はここまでにしておこう(ふー)。
03-24 22:59

@witchpian 早速チラ見ありがとうございますw。これまで書いた小説のUPから順次作業を進めていきたいと思います。今後とも宜しくお願いします(^^)。
03-24 22:49

ブログ更新しました>>>「新たなブログを立ち上げました」 http://ameblo.jp/anju-suto/entry-10840371119.html
03-24 22:48

FC2ブログの設定、七転八倒しつつ、なんとかなった模様。……というわけで、新たに小説置き場としてブログ「安寿の本棚」http://anjusuto.blog69.fc2.com/ を立ち上げました。皆様、こちらもよろしくお願い致しますorz。
03-24 22:36

@aoya575 おやすみなさーい。お大事になさってくださいね(??ω??) ノシ?
03-24 22:15

@senbei_neko 子猫の表情www、これは是非ともGETしたい逸品ですね。
03-24 22:13

@ena_d0c0b 昭和元年は1926年ですね。1925年は大正14年、当年とって86歳のようですウホッ。
03-24 22:11

ウホッウホッウホッ>>> 1925年10月3日生まれ。T160・B92・W57・H87。 好評発売中のファースト写真集「爛熟の予感」では、誰も見たことのないウホッな表情の安寿クンが見られるよ☆ http://shindanmaker.com/101517
03-24 21:55

@mary_kohara あ、そっち(^^;?
03-24 21:34

@arikawa_ ひどい(^^;。
03-24 21:34

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